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令和5年度助成金はどうなる?国が掲げる重点事項から助成金の動向を理解しよう

2023.06.21 コラム

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山梨を中心に、企業の労務管理を支える社会保険労務士法人中込労務管理です。今回は「令和5年度の助成金の動向」について解説します。

助成金は年度ごとに発表されます。時代背景を踏まえて変更されるため、助成金の活用を検討している方は最新の助成金情報を知っておくことが大切です。

本稿では、令和5年度の助成金において、どのような点が重視されているのか、具体的にどのような助成金があるのかについて解説します。最新の助成金情報を把握したい方はぜひご一読ください。

令和5年度の助成金の動向を知るための前提知識

助成金は厚生労働省が管轄する制度です。令和5年度の助成金の動向を知るには、厚生労働省の予算案を確認し、その内容を理解することが役立ちます。

ここでは「令和5年度予算案のポイント」を参考に、厚生労働省が令和5年度に重点的に取り組むポイントについて解説します。

厚生労働省が重視する3点とは

厚生労働省が令和5年度予算案の柱として掲げている重点事項は以下の3点です。

1. コロナ禍からの経済社会活動の回復を支える保健・医療・介護の構築
2. 成長と分配の好循環に向けた「人への投資」
3. 安心できる暮らしと包摂社会の実現

本稿では、上記3点のうち「2. 成長と分配の好循環に向けた『人への投資』」に焦点を当て、詳しく解説していきます。

「人への投資」に力を入れる理由

岸田首相は、令和4年10月に行われた所信表明演説の中で、「構造的な賃上げ」を目指すことを名言しました。
参考:令和4年10月3日 第二百十回国会における岸田内閣総理大臣所信表明演説

「構造的な賃上げ」とは、単に従業員の給与を上げることではなく、従業員の給与を上げられる仕組みを作ることを意味しています。仕組みを整備することで、経済全体に良い影響がもたらされることが期待されます。

同時に岸田首相は、構造的な賃上げを実現するには、「労働移動の円滑化」「人への投資」が必須であることにも触れました。

「労働移動の円滑化」「人への投資」は、構造的な賃上げには欠かせないものです。その理由について解説しましょう。

従業員に訓練を行うと能力がアップします。従業員の能力アップは仕事に活かされ、生産性の向上・利益の増大をもたらします。企業がそれを従業員に還元することで、継続的に賃金を上げる仕組みが整うでしょう。

また、能力がアップした従業員は転職しやすくなり、条件の良い企業で働くことも可能です。高い能力をもつ従業員が自社から離れると、自社にとってはマイナスの影響が出るかもしれません。しかし労働力が移動することは、経済全体でみると良い影響をもたらします。実際、労働移動が円滑なほど生涯賃金上昇率が高い、賃金格差が生じにくい、失業率が低いといった調査結果もあるようです。

このように、経済を良くするには構造的な賃上げが必要、ひいては「人への投資」が欠かせません。こういった理由から、国は大きな予算を割き、力を入れようとしているのです。

「人への投資」の3つの内容

坂を上るイラスト

ここからは「成長と分配の好循環に向けた『人への投資』」について詳しくみていきます。「人への投資」は、内容別に以下の3つに分類されています。

・賃上げ・人材活性化・労働市場強化
・多様な人材の活躍促進
・多様な働き方への支援

ひとつずつみていきましょう。

賃上げ・人材活性化・労働市場強化

「人への投資」の中には、「賃上げ・人材活性化・労働市場強化」に関する取組みが含まれます。この領域には、「人への投資」の中でもっとも多くの予算が組まれています。

具体的な内容は以下のとおりです。

・従業員の賃上げに取り組む事業者への支援
・労働者が取り組むリスキリングへの支援
・労働移動の円滑化を目指す取組みへの支援
・フリーランスなど多様な働き方を支援する環境整備

中でも「労働者が取り組むリスキリングへの支援」や「労働移動の円滑化を目指す取組みへの支援」には多くの予算が充てられています。

多様な人材の活躍促進

「人への投資」の中には、「多様な人材の活躍促進」に関する取組みも含まれています。労働人口が減少している現在、すべての人々が能力を活かして活躍できる仕組み作りは急務といえるでしょう。

この領域では、女性や高齢者、障害者、外国人、就職氷河期世代など、あらゆる人材の社会参加と活躍を促すために予算が組まれています。

多様な働き方への支援

「人への投資」の中には、「多様な働き方への支援」に関する取組みも含まれます。特性や環境が異なるあらゆる人が活躍するには、誰もが働きやすい環境を整えることが必要です。

一人ひとりが希望に応じた働き方を選択できること、希望の働き方で活躍できることを柱に、多様な働き方の実現や働き方改革の推進などを支援するために予算が作られています。

「人への投資」の中でも国が特に注力する「人材育成に関する助成金」を紹介

厚生労働省は、前章の3つのポイントのうち「賃上げ・人材活性化・労働市場強化」、特に「人材育成に関する取組み」に大きな予算を割き、人材を育成するための助成金を新設したり拡充したりしています。その一つに「人材開発支援助成金」があります。

「人材開発支援助成金」とは、企業が従業員に対して行う職業訓練などを支援する制度です。7つのコースがありますが、ここでは「事業展開等リスキリング支援コース」と「人への投資促進コース」を紹介します。

なお、「人材開発支援助成金」についての詳細は、こちらをご確認ください。
人材開発支援助成金|厚生労働省

「人材開発支援助成金」以外にも、さまざまなシーンで活用できる助成金が多数あります。自社に適した助成金を知りたい場合は、助成金に詳しい社労士に相談するのがおすすめです。社会保険労務士法人中込労務管理では随時ご相談に応じておりますので、ぜひご活用ください。

人材開発支援助成金 事業展開等リスキリング支援コース

「事業展開等リスキリング支援コース」では、事業展開に伴って新設される分野で新たに求められる知識やスキルを、従業員に習得させるために訓練を実施した場合に助成金を受けられます。

たとえば、新事業に配属される管理職のための「マネジメント研修」、社内DXを進めるための「IT研修」などが該当します。

「事業展開等リスキリング支援コース」の活用例を知りたい方はこちらからご確認ください。

人材開発支援助成金 人への投資促進コース

「人への投資促進コース」では、デジタル人材や高度人材を育成する訓練を実施した場合に助成金を受けられます。従業員が自発的に行う訓練やサブスクリプション型の訓練にも活用できます。

「人への投資促進コース」の活用例を知りたい方はこちらからご確認ください。

【まとめ】助成金のご相談は社労士法人中込労務管理まで

スーツ姿の専門家のイラスト

令和5年度、国は「人への投資」に力を入れています。そのため人材の育成や雇用に関する助成金が多数用意されています。「従業員を育成したい」「賃上げのための仕組みを整えたい」とお考えの方は、助成金の活用も検討してみてください。

とはいえ、助成金は非常に多くの種類があり、どれを活用すれば良いのかわからないという方もいるでしょう。また活用したいけれど、助成金の申請手続きのために労力を割けないというケースもあるかもしれません。

そのような場合は、ぜひ専門家へ相談することをおすすめします。社会保険労務士法人中込労務管理では、助成金に強い専門家が企業の状況に応じてご提案いたします。ぜひお気軽にご相談ください。

中込労務管理事務所編集部
執筆者情報 中込労務管理事務所編集部

人事と労務管理の専門家として、これまで各業種の企業さまへさまざまなサポートを提供してまいりました。顧問企業がお困りの際に「受け身」でご支援を行うだけではなく、こちらから「積極的に改善提案を行うコンサルティング業務」をその特色としております。人事労務にお悩みのある企業さまはもちろんのこと、社内環境の改善を目指したい方、また問題点が漠然としていてご自身でもはっきり把握されていない段階であっても、お気軽にお問い合わせいただけましたら幸いです。

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