自由度が魅力!フレックス休暇の導入と就業規則の変更について社労士が解説!
- 2022.01.17
山梨を中心に、企業の労務管理を支える社会保険労務士法人中込労務管理です。
働き方改革、テレワークなどで従来の働き方も大きく変わりました。
そうなると、従業員の勤務時間や休暇も大きく変化していくのではないでしょうか。
今回は、近年注目されつつあるフレックス休暇とは何か?その導入や就業規則の変更など、運用面についてもポイントを解説していきます。
目次
フレックス休暇とは?
フレックス勤務、フレックス制度という言葉も定着してきたように思いますが、フレックス休暇という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
フレックス勤務、フレックス制度とは、出社や退勤の時間を従業員の裁量で決めることができる勤務体系、制度を言います。
フレックス休暇とは、その休暇版。
つまり、従業員が休暇を自由に決めることができるというもの。
法律上の制度ではありませんが、働き方が大きく変わる中で、従業員の働きやすい環境を整備するという観点では重要な制度といえます。
フレックス休暇のメリット・デメリットを解説
一見従業員には魅力的なフレックス休暇ですが、導入にあたっては当然ながらメリット・デメリットが存在します。
フレックス休暇のメリットは、自由に動ける時間が確保される、働き方の自由度が上がるなどが挙げられます。つまりは、従業員の満足度が高まることがメリット。
反対に、その従業員の管理や業務の対応、引継ぎなど実際の運用面で不安が残ることも考えられ、それがデメリットとして挙げられるといえます。
フレックス休暇の活用方法
実際に、フレックス休暇はどのように導入したらいいのか、また、どのように活用したらいいのかイメージができない方も多いかもしれません。
例えば、夏季休暇を廃止し、その代わりに従業員の自由に使えるフレックス休暇を導入するなど、お盆などの夏季休暇時期にお休みを固定してしまうと、売上に影響する企業もあるでしょう。それをフレックス休暇に変更するというもの。
そうすることで、企業の利益も確保され、従業員は自由な休みを得ることができるということです。
フレックス休暇を導入すべき企業の特徴は?
活用法でもお伝えしたように、決まった休みでは業務が円滑に回しにくい業態である企業が取り入れる傾向にあります。
飲食店や専門業務型裁量労働制の企業の場合、休みが固定されることにより、かえって身動きがとれなくなる場合もあります。
それであれば、従業員に休日を決めてもらったほうが効率がいいこともあります。
自社がフレックス休暇を導入することになった場合、適しているかどうかを見極めたい場合は、中込労務管理へご相談ください。
フレックス休暇を導入する場合、就業規則の変更は必要か?
では、いざフレックス休暇を導入することになった場合、就業規則の変更は必要でしょうか?
会社の休日や休暇に関するルールは、必ず就業規則に定めなければいけません。
そのため、フレックス休暇を導入する場合や、夏季休暇・年末年始休暇の規定を変更する場合、就業規則の作成・変更は必要です。
また、フレックス休暇を取得する際の申請書や、申請フローについても就業規則で定めておくことも大切です。
フレックス休暇、導入に関するQ&A
従業員にとっては魅力になるであろうフレックス休暇。
実際に導入、運用していく企業(特に総務人事)についてはどのようにしていくか不安に思うこともあるでしょう。
よくありそうな質問をQ&A形式にしてまとめましたので参考にしてみてください。
こんな場合は不利益変更に相当しないのか?
フレックス休暇については、法律的な定義がありません。
そのため、会社の既存の休暇数が減少しない限り、従業員の不利益に繋がらないという見解です。
不利益変更に相当する可能性のあるケースは下記のとおりになります。
・元々付与していた休暇より日数が減少する場合(例:お盆など、もともと特別休暇で付与していたものをフレックス休暇に移行した際、日数が減少した)
・もともと特別休暇としていたが制度変更に伴い有給休暇の消化に変更
有給休暇とフレックス休暇の違いは?
有給休暇も、従業員の権利として取得できるという意味では、フレックス休暇と同じ印象を受けるかもしれません。
大きく違う点は、フレックス休暇はコア休暇の移動であるという点。
労働基準法では、1週間の労働時間は40時間に収めるということになっています。
その場合、週に少なくとも2日は休みを設ける必要がありますが、それをいつ休むのかという判断を従業員が決めることができるのがフレックス休暇です。
フレックス休暇を導入する場合、法的な注意点は?
気をつけなければいけないのは労働基準法。
特に、労働基準の定める休日(第35条)や法定労働時間(第32条第1項)に反していないかを確認する必要があります。
また、フレックス休暇を導入する場合、就業規則などに制度を明記することになるため、就業規則の変更とみなされます。
就業規則の届出を怠っていた場合、労働基準法違反として、30万円の罰金が科せられる(労基法120条1号)可能性があるので注意しましょう。
まとめ:フレックス休暇は自由な働き方、ワークライフバランスに繋がる
フレックス休暇の導入は、難しい点もありますが、実現できれば従業員の自由な働き方が実現する制度です。
夏季休暇時期の旅行は金額も高額ですが、時期をずらせばお得に行けることもあります。
そうした楽しみを見つけることもできるようになります。
また、裁量を与えられることでモチベーションにつながる従業員も出てくるでしょう。
うまく活用することで、ワークライフバランスに繋げることも可能です。
導入方法、活用方法でお悩みの場合は、お気軽に社会保険労務士法人中込労務管理までご相談ください。
人事と労務管理の専門家として、これまで各業種の企業さまへさまざまなサポートを提供してまいりました。顧問企業がお困りの際に「受け身」でご支援を行うだけではなく、こちらから「積極的に改善提案を行うコンサルティング業務」をその特色としております。人事労務にお悩みのある企業さまはもちろんのこと、社内環境の改善を目指したい方、また問題点が漠然としていてご自身でもはっきり把握されていない段階であっても、お気軽にお問い合わせいただけましたら幸いです。
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